この記事では、化学「物質の状態変化について」の解説をしていきます。
この項のポイントは以下の3つです。
- 粒子の熱運動
- 三態の変化とエネルギー
- 気液平衡と蒸気圧
「物質の状態変化について」は、化学の2つめの章ですが、まだまだ入り口とも言える基本的な場所。
重要な単元ですので、しっかり勉強していきましょう。
この単元をマスターすれば、物質の状態が頭でイメージできるようになり、化学の点数が取りやすくなります!
なお、前の章はこちらから飛べます。
粒子の熱運動
この項目を勉強する意味は「温度が高いとはどういう状態なのかを理解し、イメージできるようにする」です。
勉強していきましょう。
気体分子の熱運動
気体分子は空間の中を飛び回っています。
あなたの身の回りにも、感じ取ることはできないほど小さな酸素分子・窒素分子などが飛び回っています。
気体が低温のときは飛び回る分子たちのスピードが遅く、高温の時は速いです。

動きが激しいほどエネルギーが高く、高温なのはイメージしやすいね。
ピアノコンサートかフェス、どっちが激しく暑いかっていったら、フェス!
気体分子の熱運動と圧力
気体分子は、気体の中で飛び回っているので、物に衝突します。
この衝突したときの力を「圧力」といい、地表を取り巻く空気の圧力を「大気圧」といいます。
感じることはできませんが、あなたの体にも常に空気中の気体分子が衝突して大気圧がかかっているんですよ。
大気圧:1.013 ×105Pa = (760 mmHg) = 1 atm
- Pa:パスカル(1Pa = 1N / m2)
- mmHg:ミリメートル水銀柱
- atm:アトム(標準気圧)
「1.013 ×105Pa = 1 atm」は覚えておこう!

1Paは1m2に1N(約0.1kg)の圧力をかけている状態。
つまり、1.013 ×105Paは1m2に約10tもの圧力をかけている。
体の内側からも同じ圧力で押し返しているから人間は平気だけど、大気圧って恐ろしく強力!
三態の変化とエネルギー
この項目を勉強する意味は「物質の状態をイメージできるようにする」です。
勉強していきましょう!
物質には3つの状態(固体・液体・気体)があります。
例:H2Oには氷(固体)・水(液体)・水蒸気(気体)がある。
イメージは下のような感じ。
- 固体は分子が動かず、まとまっている(エネルギー低い)
- 液体はある程度動ける(エネルギー中)
- 気体は分子が好き勝手飛び回っている!(エネルギー高い)
また、それぞれ状態変化する時に「融解熱・凝固熱、蒸発熱・凝縮熱・昇華熱」といった熱を発生・吸収します。
気液平衡と蒸気圧
この項目でちょっとつまづく人が出てきます。失速しないために、頑張っていきましょう!
気液平衡と蒸気圧
密閉した容器に水を入れると、水面から水が蒸発していきます。
しかし、一部の水蒸気は凝縮し、再び水に戻ります。
この蒸発と凝縮が釣り合った(平衡)ときのことを「気液平衡」と呼びます。
気圧平衡のとき、気体中の分子の数は一定です。この状態を「飽和」と呼び、さらに飽和しているときの圧力を「飽和蒸気圧」または「蒸気圧」と呼びます。
下のグラフは水の蒸気圧曲線(温度と蒸気圧の関係)です。
温度が上がるほど、蒸気圧は高くなります。
逆に言うと、温度が一定ならば、容器の体積等に関わらず、蒸気圧は一緒。
また、大気圧と蒸気圧が一緒のとき、液体は沸騰をします。
例1)地上(1atm)の場合、水は蒸気圧が1atmになった時、つまり100℃で沸騰する。
例2)富士山の頂上(0.7atm)の場合、水は蒸気圧が0.7になった時、つまり88℃程度で沸騰する。
物質の状態図
物質は温度と圧力によって、どんな状態(固体・液体・気体)にあるかが決まります。
その状態を表した図が「状態図」です。
下に、状態図の一例を示します。
上の図のように、温度と圧力で物質の状態が決まります。
全ての状態が重なる点は「三重点」といい、固体・液体・気体すべての状態が存在する点です。

本当は圧力も温度も超高いところに「超臨界流体」という状態があるけど、あんまりテストで出ないから無視してもいいかな。
まとめ
「物質の状態変化について」を理解できましたか?
この記事の内容をまとめます。
- 粒子の熱運動:温度が高い→分子の動きが激しい
- 三態の変化とエネルギー:気体>液体>固体の順にエネルギーが大きい
- 気液平衡と蒸気圧:蒸気圧曲線、状態図の見方をマスターしよう!
この単元をマスターして頭で物質の状態がイメージできるようになった方は、次の単元に行ってみましょう。
よくわからなかった人は、繰り返し勉強して、堅実に進みましょう!
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