この記事では、化学「化学反応とエネルギー」の解説をしていきます。
この項のポイントは以下の3つです。
- 発熱反応と吸熱反応
- 熱化学方程式
- ヘスの法則
「化学反応とエネルギー」は、化学の5つめの章で、比較的簡単な分野ですが、化学に苦手意識を持っている方は拒否反応が出るようです。
難しそうな見た目に騙されないように、しっかり勉強していきましょう。
この単元をマスターすれば、化学苦手民から大きくリードを獲得できます!
なお、前の章はこちらから飛べます。
発熱反応と吸熱反応
この項目を勉強する意味は「化学反応とエネルギー分野の全てである熱化学方程式の入り口。全員ができるので、絶対に理解しよう」です。
勉強していきましょう!
反応物および生成物が持つエネルギーの総和の関係が
- 反応物>生成物の時、発熱反応となる
- 反応物<生成物の時、吸熱反応になる
炭素Cが燃焼すると、二酸化炭素CO2と熱が発生します(発熱反応)。
「炭素と二酸化炭素のエネルギーの和>二酸化炭素のエネルギー」なので、発熱反応。
赤熱した炭素Cに水蒸気H2Oを通じると、一酸化炭素COと水素H2が発生し、熱を吸収します(吸熱反応)。
「炭素と水のエネルギーの和<一酸化炭素と水素のエネルギーの和」なので、吸熱反応。
と、ここまでは教科書通りのお利口さんな解説なので、何か例を出してみます。
発熱反応・吸熱反応の例
発熱反応を利用しているものは、カイロです。
カイロは「鉄が水分を吸収して酸化鉄になるときに発生する熱」を利用しています。
吸熱反応を利用している例は、冷却パック。
使ったことありますか?カイロの冷やす版みたいなものです。
冷却パックは「硝酸アンモニウムが水に溶解するときの吸熱反応」を利用しています。
よくある質問

吸熱しているのに、冷えるの?
うまくイメージできない。
こんな質問をよくいただくので、答えていきます。
例えば、冷たい水の入ったコップを触ると、熱が奪われてあなたの手は冷たくなっていきますよね。これが吸熱です。
冷却パックの話に戻すと、「硝酸アンモニウムはガンガン水と反応したいんだけど、エネルギーが足りない。じゃあ、外からエネルギー(熱)を吸収しよう!」ということなので、冷却パックは冷たくなるんです。

カイロは逆に「エネルギーが多すぎるから、熱として排出しよう」ということだね。
熱化学方程式
この項目を勉強する意味は「熱化学方程式は化学反応とエネルギー分野の全て。これができなければ何もできないが、逆にいうと、これができれば全てできる」です。
勉強していきましょう!
熱化学方程式は「化学反応式の右辺に反応熱を示し、左辺と右辺を等号で結んだ式」のこと。
例)H2(気)+(1/2)O2(気)=H2O (液)+ 286kJ
気体のH2と気体の(1/2)O2が反応すると、液体のH20と286kJの熱量が発生する。
熱化学反応式を解くコツ
熱化学方程式を解くコツは、とにかく化学反応式を書くこと。
化学反応式さえかければ、簡単に回答が可能です。
例題:メタンCH4の燃焼熱は891kJ/molである。メタン32gを燃焼させると、何kJの熱量が放出されるか示せ。
メタンの化学反応式はCH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O
熱化学方程式はCH4 + 2O2 = CO2 + 2H2O + 891kJ
メタン32gは2molなので、891〔kJ〕×2〔mol〕=1782〔kJ〕

これは非常に簡単な問題だけど、基本的にはどの問題も同じようなことをするだけだよ。
ヘスの法則(総熱量保存の法則)
この項目を勉強する意味は「熱化学方程式を解くのに必要。ヘスの法則が分かれば、さらに得点アップが期待できる」です。
さて、いきます!
さあ、言葉で書かれるとわけわかんないですね。
下の炭素(黒鉛)が燃焼したときのエネルギーを表した図で説明します。
ヘスの法則が言いたいのは、以下の通り。
「黒鉛が燃えて二酸化炭素が発生するときに発生する熱量」=「黒鉛が燃えて一酸化炭素が発生するときの熱量」+「一酸化炭素が燃えて二酸化炭素になるときの熱量」
出発点と到着点が同じなら、経路は関係ないんです。
もっと身近な例で例えると、家から通学路上にあるコンビニに寄り道しても、自転車を漕ぐ量は変わらないということです。
ヘスの法則は実験で測定しにくい物質の熱を計算で求めるのに利用されます。
ここまで理解できたら、あとは熱化学方程式の問題を解きまくって慣れるだけ!
まとめ
「化学反応とエネルギー」について理解できましたか?
この記事の内容をまとめます。
- 発熱反応と吸熱反応:熱化学方程式を解くための基礎!
- 熱化学方程式:これができれば、この分野は怖くない
- ヘスの法則:熱化学方程式を解くのに必須な概念
化学反応とエネルギーの単元をマスターし、熱化学方程式の問題も解けるようなれば、取れるところは確実に取って堅実に得点を重ねていけるはず!
自信をもって次の単元に進みましょう!
よくわからなかった人は、繰り返し勉強して、堅実に進みましょう!
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