この記事では、化学「化学平衡」の解説をしていきます。
この項のポイントは以下の3つです。
- 可逆反応と化学反応
- 平衡状態の変化
- 電解質水溶液の化学平衡
「電池と電気分解」は、化学の8つめで理論化学の最後の章です。最後らしく難しい分野で、差が出ます。
しっかり勉強していきましょう。
この単元をマスターすれば、化学の点数にあとひと押しできること間違いなしです!
なお、前の章はこちらから飛べます。
可逆反応と化学反応
この項目を勉強する意味は「化学平衡の入り口。難しくはないので、しっかり理解して次に進もう」です。
勉強していきましょう!
可逆反応
可逆反応とは「正反応と逆反応が両方向で起こる反応」のこと
上の反応だと、水素とヨウ素が反応してヨウ化水素のと同時に、ヨウ化水素は水素とヨウ素に別れていくということ。
水素とヨウ素を反応させることを考えると、最初は水素とヨウ素が濃いので正反応がガツンと起こりますが、だんだんと薄くなってきて反応がストップしたように見えます。
つまり、正反応と逆反応の速度が一致したということ。
その、速度が一致して反応がストップしたように見える時の状態を「平衡状態」と呼びます。
平衡定数
可逆反応で、反応物と生成物のモル濃度を使用して「平衡定数」という値が定められます。
平衡定数は温度が一定なら、濃度や圧力が異なっても一定の値になります。
また、成分気体の分圧から求めた平衡定数を「圧平衡定数」と呼び、温度が一定ならば反応物の割合にか関わらず一定です。
平衡定数・圧平衡定数を求める問題で気をつけて欲しいのが、固体は関与しないところ。
固体は気体に混じり合って存在するわけではないので、固体は平衡定数を求める式に入れないようにする!
平衡状態の変化
この項目を勉強する意味は「化学平衡でややこしい分野。でも、コツさえつかめば簡単なので、点が取りやすい!」です。
勉強していきましょう!
ルシャトリエの原理(平行移動の原理)
「平衡状態の変化」の項目は「ルシャトリエの原理」のみで完結します。
難しそうで混乱しやすいですが、簡単です。
濃度を濃くすると薄くする方に、圧力を増やすと減らす方向に、温度を上げると下げる方向(吸熱方向)に平衡が移動するだけということ。
混乱しがちだけど、しっかり理解しておきましょう!
電解質水溶液の化学平衡
この項目を勉強する意味は「理論化学の最後に、非常にややこしい計算問題。暗記推奨!できない人が多いので、ライバルを出し抜くチャンス!」です。
弱酸のpH
弱酸のpHは、この分野で頻出の問題。
押さえておきましょう!
これを丸々覚えてもいいくらい。
ポイントは、弱酸は電離度αが非常に小さいので、「1-α」が1にできるというところ。
絶対解けるようにしておこう!
緩衝液
さて、次のよくわからないポイントである「緩衝液」について説明します。
緩衝液とは「弱酸(弱塩基)とその塩の混合水溶液で、酸や塩基の水溶液がわずかに混入しても、pHの値をほぼ一定に保つ働きがある水溶液」です。
緩衝とは、そもそも下のような意味。
対立している物などの間にあって、衝突や不和などを和らげること。また、そのもの。
出典:コトバンク
酸や塩基(対立しているもの)をちょっと加えても、不和(pHの変化)を和らげてくれるってことですね。
例えば、酢酸と酢酸ナトリウムの混合水溶液。
水溶液中にCH3COO–とCH3COOHとが存在しています。
HClを加える(H+が増加)とCH3COO–がCH3COOHになるため、[H+]の増加がありません。
NaOHを加える(OH–が増加)とCH3COOHが電離してH+が発生、そしてH20になるため、[OH–]の増加がありません。
なので、pHの変化がないということですね。
まとめ
「化学平衡」について理解できましたか?
この記事の内容をまとめます。
- 可逆反応と化学反応:落ち着いて考えれば簡単
- 平衡状態の変化:ややこしそうに見えるけど簡単
- 電解質水溶液の化学平衡:暗記推奨の計算問題
前の電池の分野が難しい分、ここまで来れない人が意外といます。捨てるほど難易度が高くないので、点を取っていきましょう!
さて、しっかり理解したら次の単元に進みましょう!
よくわからなかった人は、繰り返し勉強して、堅実に進みましょう!
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