この記事では、化学「合成高分子化合物」の解説をしていきます。
この項のポイントは以下の3つです。
- 2種類の構造
- 3種の製法
「合成高分子化合物」は、化学の12個目で最後の章です。天然高分子化合物とセットで捨てている人も多いはずですが、難易度は捨てるほどでもありません。
しっかり勉強していきましょう。
この単元をマスターすれば、高分子化合物を捨てて受験をギャンブルにしている人と差をつけられます!
なお、前の章はこちらから飛べます。
2種類の構造
この項目を勉強する意味は「天然よりさらに面倒に見える合成高分子化合物を整理して覚え、勉強する土台を作る」です。
ひたすらに暗記するより、構造がわかった方がイメージしやすいはず。
勉強していきましょう!
- 線状構造
- 立体網目構造
線状構造
線状構造は高分子化合物が分子間力で繋がっています。
熱可塑性を持っており、熱すると柔らかくなります。
立体網目構造
線状構造が枝分かれができてお互いに繋がったものを立体網目構造と呼びます。
しっかり繋がっているため硬く、熱を加えても柔らかくなりません。
3種の製法
この項目を勉強する意味は「合成高分子化合物で得点を取るのに最低限のところを押さえる。問題を解くための事前知識」です。
勉強していきましょう!
- 付加重合
- 縮合重合
- 開環重合
付加重合
付加重合とは、付加反応でモノマーを繋げる反応。
CH2=CH2 CH2=CH2 → -CH2-CH2-CH2-CH2
付加重合で覚えたいのは「ビニル系」「ジエン系」です。
ビニル系
二重結合が単に付加重合を起こすものがビニル系。
線状構造なので、熱可塑性を持つことも覚えておきましょう。
身近なもの、例えばスーパーのビニール袋(ポリエチレン)も熱すると簡単に柔らかくなって溶けますね。
こうやって、身の回りのものに例えて覚えていきましょう!
ジエン系
気をつけて欲しいのが、単結合が二重結合になっているところ。
油断して単結合のまま覚えてしまうことが多々あります。
ジエン系の使われ方は「ゴム」です。
硫黄を加えて(加硫)、線状結合を立体網目構造に変え弾性を得てゴムとして使います。
縮合重合
縮合重合は、水などが取れて起こる重合のこと。
結構覚える量があるので、頑張っていきましょう。
線状構造のもの
覚えるべきは以下の2つ。
- ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)
- ポリアミド(ナイロン66)
ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)
ポリエステルはエステル化でできるポリマー。
エステル化は加水分解の逆で、脱水でエステル結合(-COO-)ができる反応でしたね。
「エチレングリコールとテレフタル酸が縮合重合してポリエチレンテレフタレートができる」と覚えておきましょう。
ポリアミド(ナイロン66)
ポリアミドはアミド化でできるポリマー。
アミド化も加水分解の逆で、脱水でアミド結合(-CONH-)ができる反応でしたね。
「ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸が縮合重合してナイロン66ができる」と覚えましょう。
立体網目構造のもの
縮合重合で立体網目構造を形成するものはフェノール樹脂です。
「高温・高圧下でフェノールとホルムアルデヒドを反応させるとフェノール樹脂ができる」と覚えましょう。
立体網目構造なので、熱硬化性を持ち非常に硬いです。
開環重合
開環重合はその名の通り、環状構造が開いて重合する反応。
高校化学では1種類「ナイロン6」のみ覚えればオーケー。
「カプロラクタムが開環重合してナイロン6ができる」と覚えましょう。
ナイロン66と似た性質を持ちます。
まとめ
「合成高分子化合物」について理解できましたか?
この記事の内容をまとめます。
- 2種類の構造:線状構造と立体網目構造
- 3種の製法:付加重合・縮合重合・開環重合
高分子化合物は捨てる人も少なくないですが、それほど難しい分野ではありません。
出題頻度も決して低くないので、絶対にモノにしましょう!
よくわからなかった人は、繰り返し勉強してくださいね。
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