【3】運動量【物理解説】

運動量と力積物理

この記事では、物理「運動量」の解説をしていきます。

この項のポイントは以下の3つです。

  • 運動量と力積:運動量は衝突の勢いを表している
  • 運動量保存の法則:外力を受けていない時、物体系の全運動量は変化しない
  • 跳ね返り係数:衝突前の相対速度に-eをかけたものは、衝突後の相対速度になる

また聞きなれない「運動量」という概念が出てきます。

運動量と運動エネルギー、ごちゃごちゃになっている人が多く、躓きやすい分野です。
整理して覚えましょう!

それでは、解説していきます。

運動量と力積

運動量と力積。初めましての言葉ですね。

似たような名前の概念が続いていますが、しっかり覚えていきましょう!

運動量…運動の量?よくわからないですね。

もっと分かりやすい言葉で言うと運動量は「運動の勢い」を表していると思ってください。

運動は、速度が早いほど、そして質量が大きいほど激しいのはイメージできますね。

重いボーリングの球を早く投げた時の方が勢いよくピンが飛んでいくのと同じです。

運動量pは、質量mと速度vをかけたもの(p = mv)です。

ここで注意して欲しいのが、vは”速さ”ではなく”速度”だということ。

つまり、速度というベクトル量を使っている運動量pもベクトル量なんです!

速さは「大きさ」だけで、速度は「大きさ」と「向き」の成分を持っています。
つまり、右を正と考えて、10km/hで左に転がるボールは「速さ10km」で「速度-10km」です。

力積

運動量は「p = mv」で運動の勢いを表していると説明しましたね。

運動量が大きいボーリングの球がピンを弾き飛ばす運動を、数式で表してみましょう。

球がピンを弾き飛ばす時って、球はボールに一瞬しか触れていませんよね。

その一瞬をΔtと表します(Δは”わずかな”という意味の記号。Δtは衝突した一瞬の時間を表す)。

Δtの時間に球がピンに力F(ベクトル量)を与えるから、力積Iは「I = FΔt」となります!

Δtの時間で力Fをくわえるから 「I = FΔt」、単純ですね。

実はこの力積、衝突前後の運動量の変化分になっているんです。以下の式で証明していきます。

質量 m の物体に F が Δt秒間はたらいて(物体に衝突して)、速度が v から v’ に変化したとします。

加速度a は(v – v’)/Δtで表せます。

運動方程式F = maに代入すると、F = m(v – v’)/Δt

両辺にΔtをかけるとmv – mv’ = FΔt になります。

つまり、「衝突前後の運動量が変化した分 = 力積」だと証明できましたね。

「運動エネルギーの変化分 = 仕事」によく似ています。

まとめとして、運動エネルギーと運動量の違いを表にしておきますね。

運動の向き変化した分
運動量mvあり(ベクトル量)物体がされた力積
運動エネルギーmv2/2なし(スカラー量)物体がされた仕事
テッド
テッド

問題文をイメージした時に「衝突」が出てきたら、運動量・力積の出番だね。
逆に、力を一定時間加え続けていたら、運動エネルギーや仕事の出番。

運動量保存の法則

先ほどやった運動量と力積を、少し発展させます。

実際の問題では非常によく使う概念なので、理解しておきましょう!

運動量保存の法則とは「外力を受けていない時、物体系の全運動量は変化しない」というもの。

小球AB(質量と速度はそれぞれm1v1、m2v2)が衝突するときを考えると、以下のようになります。

m1v1 + m2v2=m1v’1 + m2v’2
「衝突前の全運動量の合計=衝突後の全運動量の合計」

ここで、よくある例題をやってみましょう(衝突ではなく、分裂の問題です)。

分裂

衝突ではなく、分裂でも運動量保存の法則を使うことに注意してくださいね。

跳ね返り係数

衝突すると物体が跳ね返りますね。
どのくらい跳ね返るかを表す値として跳ね返り定数があります。

地味な立ち位置なくせに、意外と出題頻度はあります。覚えておきましょう!

跳ね返り定数とは「跳ね返りやすさ」を表す数値です。

球Aと球Bがぶつかって速度が変化するときのことを考えましょう。
(vA , vB)→(v’A , v’B

跳ね返り定数eはe = -(v’A – v’B)/(vA – vB)で表せます。

よくわからないかもしれませんが、言っている事はとっても単純。

– e(vA – vB)= v’A – v’Bとすると「衝突前の相対速度に-eをかけたものは、衝突後の相対速度になる」ということですね。

ここで、例題を一つやってみましょう。

跳ね返り係数

運動量保存の法則と跳ね返り係数の式を連立させて、衝突後の速度を出しましょう。

跳ね返り係数は0以上1以下になり、以下のようにまとめられています。

eの値名前備考
0完全非弾性衝突エネルギーは保存されない
(ボールを地面に落とすと)跳ね返らない
0<e<1非弾性衝突エネルギーは減少する
(ボールを地面に落とすと)少し跳ね返る
1弾性衝突エネルギーは完全に保存される
(ボールを地面に落とすと)同じ高さまで跳ね返る

まとめ

運動量ついて理解できましたか?

ポイントをまとめますね。

  • 運動量と力積:運動量は衝突の勢いを表している
  • 運動量保存の法則:外力を受けていない時、物体系の全運動量は変化しない
  • 跳ね返り係数:衝突前の相対速度に-eをかけたものは、衝突後の相対速度になる

運動量、よくわからないかもしれませんが、衝突を表すとイメージしておけばオーケーです。

問題演習を繰り返して自分のものにしてください!

さて、理解したら次の単元に進みましょう!

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