この記事では、物理「理想気体の状態方程式」の解説をしていきます。
この項のポイントは以下の2つです。
- ボイルシャルルの法則:密閉された系で使う
- 理想気体の状態方程式:pV= nRT
熱の分野に入って、力学と違って具体的なイメージがしにくくなりました。
これから学ぶ「ボイルシャルルの法則」「理想気体の状態方程式」は熱力学の基本中の基本です。
使いこなせなければ、全く歯が立たないので、しっかり勉強していきましょう!
それでは、解説していきます。
ボイルシャルルの法則
気体の「圧力」「体積」「温度」を変化させるとどうなるのか、検討していきます。
熱力学の基本中の基本なので、ボイルシャルルの法則を使えるようにしましょう!
ボイルシャルルの法則は、”ボイルの法則”と”シャルルの法則”を合わせたものです。
3つ全部覚える必要はなくて、ボイルシャルルの法則だけ覚えておけばオーケー。
なんなら、後に紹介する理想気体の状態方程式を覚えれば、ボイルシャルルの法則もいらないかも。
覚えておくと便利ですが!
ボイルの法則:気体の出入りが無く温度が一定のとき、気体の圧力pは体積Vに反比例する
pV = k(一定)
「気体が入った風船を押しつぶすと、中の圧力が大きくなるよ」と言っています。当然ですね。
シャルルの法則:気体の出入りが無く圧力が一定の時、気体の絶対温度Tは体積Vに比例する
V/T = k(一定)
「気体の入った風船を熱すると、期待が膨らんで、同時に風船も膨らむよ」と言っています。
そして、この二つを合わせたものが、ボイルシャルルの法則です。
ボイルシャルルの法則:気体の出入りが無いとき、気体の体積Vは圧力pに反比例して、絶対温度Tに比例する
pV/T= k(一定)
赤色がボイルの法則、太字がシャルルの法則の部分です。被っているものは赤太字。
ボイルシャルルの法則にしたらイメージしにくいですが、ボイルの法則とシャルルの法則別々に考えれば、簡単にイメージできますね。
注意:ボイルシャルルの法則は密閉された系(気体の出入りが無い)ときしか使えません。密閉されてないときは、次の項で説明する「理想気体の状態方程式」を使います。
理想気体の状態方程式
さて、次はボイルシャルルの法則より便利な「理想気体の状態方程式」を紹介。
熱力学の半分はこの式に凝縮されていると言っても過言ではありません。めっちゃ大事。
状態方程式を使えないと、何もできません。
さて、勉強していきましょう。
理想気体の状態方程式は以下の式です。
pV = nRT
- p:気体の圧力, Pa
- V:気体の体積, m3
- n:物質量, mol
- R:気体定数( = 8.31 J/(mol・K) )
- T:温度, K
ボイルシャルルの法則のpV/T = kによく似ていますね。
kがnRになっただけなので、覚えやすいはず。
pV = nRT、絶対に覚えてください。
n〔mol〕の標準状態の気体にボイルシャルルの法則を適用すると、k = nR = 8.31nが成り立つので、計算してみてください(覚える必要はない)。
標準状態:0℃、1気圧の状態のこと
- T:273〔K〕
- p:1.013×103〔Pa〕
- V:n×22.4×10-3〔m3〕
ボイルシャルルの法則と理想気体の状態方程式の関係
- ボイルシャルルの法則:pV / T = k
- 理想気体の状態方程式:pV = nRT
両者の関係をもう一度考えてみましょう。
理想気体の状態方程式の両辺をTで割ると、pV / T = nRになります。
ボイルシャルルの法則は「気体の出入りが無い」という条件がついていましたね。
理想気体の状態方程式で考えると、気体の出入りが無いということは、物質量nが一定なんです。
Rも定数なので、ボイルシャルルの法則は、気体の出入りが無いときの理想気体の状態方程式だということが分かりました。

ボイルシャルルの法則は、理想気体の状態方程式のショボい版みたいな感じ。
ショボいって言い方悪いかもだけど、僕はそう思ってる。
まとめ
理想気体の状態方程式について理解できましたか?
ポイントをまとめますね。
- ボイルシャルルの法則:密閉された系で使う
- 理想気体の状態方程式:pV= nRT
熱力学の基礎でした。
pV = nRTはしつこいですが、マジで大活躍なので絶対覚えてください。
さて、基本を覚えたら次に進みましょう!
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