この記事では、物理「電場と電位」の解説をしていきます。
この項のポイントは以下の3つです。
- クーロンの法則:電荷と電荷の間にはたらく力の大きさ
- 電場:向き・大きさ・静電気力
- 電位:静電気力と電荷で分けて覚える
今回から、電磁気の分野に入ります。
物理の中でもボリュームがあり難度も高いので、物理基礎で電気が得意だった人も失速するかもしれません。
しかし、頻出分野なのでそうは言ってられない。絶対に押さえておきたい内容です。
それでは、解説していきます。
クーロンの法則
まずは電荷に働く力であるクーロン力(静電気力)について見ていきます。
公式を覚えるだけで難しくないので、落とさないように!
クーロンの法則は「電荷と電荷の間にはたらく力の大きさ」の公式で、以下のようなもの。

同じ符号の電荷の間には斥力(反発する力)、異符号の間合いは引力(引き合う力)です。
万有引力の法則に似ていることに気がつきましたか?
万有引力の法則は、質量が負の値を取らないので斥力は生じないところが、違いますね。
電場
次は電場について見ていきます。
電場、電流、電圧など似たような言葉が多いですが、整理して覚えていきましょう。
電場とは、電荷と電荷の間にはらたく力のこと。離れていてもはたらく力ってところが不思議ですね。
正電荷と負電荷はお互いに引力がはたらきますね。つまり、この引力のことですね。
正電荷と正電荷、もしくは負電荷と負電荷だったら斥力になります。
次は、電場の性質を3つ見ていきます。

電場の向き、電場の大きさ、静電気力の3つを覚えておいてください。
電位
次は電位について見ていきます。
物理基礎でも電位という言葉は出てきましたが、あの時は電気回路の電位でしたね。
今回は電荷における電位を見ていくので、前の電位に引っ張られないように覚えていきましょう。
静電気力による位置エネルギー
上で紹介したクーロン力(静電気力)は保存力です。ということは、位置エネルギーが存在しますね。
物体が重力の方向に引っ張られるように、電荷も電場の向きに引っ張られる(押される)のはイメージしやすいと思います。
ただ、重力と違って、下のように電荷の動きは異なることに注意してくださいね。
- 電荷の電気量 q >0:電場と同じ向き
- 電荷の電気量 q < 0:電場と逆向き
そして、位置エネルギーですが、重力による位置エネルギーとそっくりなので、見ていきましょう。

一様な電場での位置エネルギーはU = qEdと分かりました。
簡単!って思うかもしれませんが、ちょっと注意点。
電場は重力のように一様ではありません。
電荷の符号や距離によって、電場Eは向きや大きさが変化します。
そこで、U = qEdの「Ed」に注目します。
qは電荷の大きさなので変化しないとして、場所によって変化する可能性があるEとdを一緒に見るんです。
Edが大きければ位置エネルギーUも確実に大きいし、逆も言えます。
ここで、Edを電位V〔V〕(単位:ボルト)を使って、以下のようにします。
V = Ed
これをU = qEdに代入して、
U = qV
となります。電位Vの場所に置かれた電荷(q〔C〕)の位置エネルギーはU〔J〕ということですね。
q = +1のとき、U = Vになるので、「電位=1Cの電荷の位置エネルギー」とも言えます。
点電荷による位置エネルギー
静電気力では「一様な電場」での電位について見てきましたが、点電荷による電位についても見ていきます。
点電荷のによる電場は、場所によって静電気力の大きさが違って扱い方も変わります。
イメージとしては、以下の通り。

考え方は万有引力による位置エネルギーを算出した時と同じです。
点電荷による位置エネルギーはU = kQq / r(k:クーロン力)となります。
q が+1のときの位置エネルギーを考えると、点電荷の作る電位は、V = kQ / rと言えますね。
まとめ
電場と電位について理解できましたか?
ポイントをまとめますね。
- クーロンの法則:電荷と電荷の間にはたらく力の大きさ
- 電場:向き・大きさ・静電気力
- 電位:静電気力と電荷で分けて覚える
電場と点電荷について詳しく見ていきました。
物理の電気は、物理基礎より大きく難易度が上がっていて非常に難しいです。
ゆっくりじっくり理解して、次に進みましょう!
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